『障害児のヘアカット』と、聞くと。寝たきりの子や車椅子に乗ってる子をイメージされる方が多いかもしれません。
家から出る事が難しい障害児さんのヘアカットも訪問美容師.福祉美容師のお仕事です。
しかし、障害児さんの中には
発達障害の子もいて、じっとしている事が難しい
多動の子もいます。
私は2ヶ月に1回、多動の子をヘアカットさせてもらっています。
その事について、コツや気を付ける事などをまとめてみました。
障害児ヘアカットが慣れてない美容師さん、多動っ子ママさんに見て頂いて参考になったら嬉しいです。
慣れた環境で

私がさせて頂いてる所は、児童発達支援センターです。普段、過ごしている場所にビニールシートを敷いて椅子を置きます。
椅子も普段その子が使っている椅子で。
美容師1人ではどうにもならない時もある

ハサミを持ってヘアカットをするのは、もちろん福祉美容師の私がしますが、
よく動く子は、危険な事もあります。
髪を切っている所に手が出てきたり、首が上下左右動いたり‥
安全が第一です!
なので手を押さえていてもらい、
あまり動かないように、ギュッと抱いて頂いてます。
先生やママの協力をお願いする事が大切です。
薄着になってもらいましょう

ヘアカットをされる不安や、ギュッと抑えられているストレスで泣く子もいます。
反り返って、力いっぱい泣きます。
泣いていると、涙と鼻水と
そして‥汗!!
体温が上がって、体が暑くなり、汗だくになります。
私は、させてもらう子は
- 夏場はタンクトップの肌着
- 冬場は薄手のシャツ1枚
に、なってもらってその上から
タオル→カットクロスをしています。

本人さんだけでなく、抱っこしている先生やママ、もちろん私も汗だくです。
カットクロスにこだわる必要はない
上記でもあるように、とにかく年中‥汗だくになります。
カットクロスがサウナスーツみたいになるので余計に暑いですよね。
カットの途中でよく動くと、クロスやタオルがズレてきます。
髪の毛が服に付いたり、背中に入ったりするとかゆいです。
ですが、カットクロスのズレをいちいち直していたら
ヘアカットが進みません!
とにかく、早く終わらせてあげる事が大事なのです!服に髪の毛が付いてしまったら、コロコロで取って洗濯すればいいのです。
背中についたらタオルで優しく取ってあげたらいいんです。
とにかく早く、ヘアカットというストレスから解放してあげましょう!

不要なタオルや100均の雨ガッパなどをクロス代わりにして、カットが終わればポイ!できるものを代用する事もあります。
髪の毛がどうしても服に付くので着替えを用意して頂きましょう。
ヘアカットの順番
美容師さん、人それぞれにヘアカットの順番があると思います。

ネープ→サイド→トップ→レイヤー→セニング
私の順番です。
あっち向いたり、こっち向いたり、よく首が動きます。
右をカットしていても、途中で左向きになったりや、前髪をカットしていても、下向いちゃったり‥
押さえつけてカットしてもいいのですが、なるべくはその子の自然な状態でカットしてあげたいです。
右向いているうちに、カットできる所はやっておく
下向いているうちに、ネープにレイヤーを入れておく
その子の姿勢やお顔の向きで、今カットができる所をしておいて仕上げの際に繋げます。

バリカン持ったり、セニング持ったり。持ち替えをたくさんします。すぐに取り出せるシザーケースもあるといいです。
スタイルにこだわりすぎない

まず、カットをさせて頂くにあたって確認する事があります。
- 襟足の長さ
- サイドの長さ
- 前髪の長さ
- 全体の重さ(バランス)
襟足の長さ
バリカンで刈り上げてしまっていいのか、襟足が肩までなのか。
サイドの長さ
ツーブロックをするのか、耳が透けるくらいなのか、隠れてもいいのか
前髪の長さ
額のどの位置まで短くするのか、眉毛は出すのか
全体の重さ(バランス)
重め→トップ長め
軽め→トップ短め
この確認事項をクリアしていたらカットを終わります。
スタイルにこだわりすぎると時間がかかります。
もちろん、左右対称や切り残しなど、基本的な事はしっかりします!
仕上げはしっかりする

仕上げというのは、
- 左右対称かチェック
- 切り残しの確認
- トリマーで襟足やもみあげの形の処理
をします。
ここは、先生やママさんにしっかり体とお顔を押さえててもらって、
丁寧に形を整えます。
アウトラインの切り残しチェックは、動くと耳を、切ってしまいそうで怖いですが、押さえててもらってしっかりカットしてあげます。
トリマーを使う際にも、動いてしまうと、削るはずのない場所までトリマーが入って行かないように、ご協力を頂きましょう。
ドライヤーで髪の毛を飛ばして完成です。

ドライヤーで髪の毛は飛んでますが、『早めにお風呂に入れてあげて下さい』と、最後にお声掛けをしています。
まとめ

いかがでしたか?
サロンワークとは違い、鏡の前で座ってカットするとは程遠いです。
初めての時は、大変だと思いますが、回数を重ねていくと、手順やポイントが分かってきます。
そして、カットする子も、だんだん慣れてきます。
私のさせて頂いてる子は、3回目でじっと動かずにいてくれました。
(めちゃ泣いてましたが‥)
お互いに慣れ合おうね!という気持ちでさせて頂いてます!
そして、ヘアカットにご協力して下さる、先生方、ママさんにいつも感謝しています。
美容師1人では、できません‥
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