福祉美容師を目指したきっかけ

福祉という言葉を意識し始めたのは、娘の障がいが分かってしばらく経った時。
それまでは、福祉の意味やバリアフリーのことなど全然興味もありませんでした。
そんな私が、娘が通っている児童発達支援センターでヘアカットを頼まれたのです。
子供のヘアカットは今までサロンワークでしてきたのですが、体幹のしっかりしていない子や多動の子は初めてで…汗だくになりながら、先生に協力してもらいなんとかヘアカットできる感じでした。
それでもカットが終わると喜んでくれる障害児のママさんたち。
「美容室で嫌な顔をされた」「断られた」「カットの途中でもうできないと言われ変な髪型で帰された…」など、いろいろお話を聞くようになりました。
私がしなくては!と、その時に思ったのです。それからボランティアでヘアカットに行くようになり、
特別な配慮が必要な技術が勉強したいと思い、福祉美容師の講習を受けに行きました。
やりがい
はさみを持っているとき全部がやりがいを感じていますが、カットが終わった後に「さすがプロ!」と、言われるときがやりがいを感じる時です。
今は、おうちでママがヘアカットしてる方も多く、とても上手にカットされています。
そんな中、「さすがプロ」と言ってもらえることがとても嬉しいです。
具体的な施術方法
普段は、娘の児童発達支援センターに行ってるのみです。
準備
ブルーシートをお部屋に敷いてもらい、そこに利用者さんを誘導します。その子に合わせた姿勢でヘアカットします。
- 記事タイトル 障害児のカット姿勢
- ゴロンと寝ながら
- ママに抱っこ
- いつもの椅子
- 立ちながら
- プロンボードに乗って
この姿勢が絶対!ではなく、
自分がその子に合わせていきます。
施術
音が苦手な子はバリカンを使いません。ドライヤーも最小限。
- 記事タイトル バリカンなしで刈り上げ
カットする手順は、自分の手順がありますが、その子の姿勢や気分に合わせて出来るところからカットを進めていきます。
とにかく時間との勝負。
スタイルにこだわってしまうと時間がかかってしまうので、イメージしたスタイルに一発で決めれるようにカットをしていってます。
従来の仕事と比べて、福祉美容師との違い
基本的に「ヘアカットをする」ということは同じです。
福祉美容師は利用者さんの安全を第一に考えます。ハサミを使うので利用者さんが誤ってハサミや、バリカンなどに触れてしまわないように配慮します。
てんかん発作や奇声、多動など予期せぬ事が起きるので何があってもあわてないように、あらかじめママや先生にどんな子なのか聞いておきます。
特別なスキルや資格

福祉美容師資格は身体の不自由な方への介助方法を身に付けたスペシャリストなので、取得しておくと利用者さんやその家族が安心して利用して頂けます。
福祉美容師として働くには

訪問美容は、美容師免許の所持でできます。
福祉美容師になるには、美容師免許が必要で、厚生労働省やNPOが主催する講習を受け、資格を取得します。
困難や課題
福祉美容師や訪問美容があることを認知されている方が少ないと思います。
行政からの補助金が、高齢者のみに対応している市もあって、
寝たきりの障がい児には無かったりするので、統一してほしいなと思っています。
そして、私みたいに訪問美容をopenしたくても、行政の決まりで個人で訪問美容を出せないところもあって…隣の市ではOKなのに何でかな。と思うことがあります。
これからの事
高齢者も増え、医療が進んでいるので生まれて命をつなぐことができ、重い障害を持った子供たちも増えてくると思います。
家から出て、ヘアカットに行けない方たちとその家族のために福祉美容師さんが増えていったらいいなと思います。
興味のある方へ
資格を取るのも、何年も学校へ行くわけではないので、少しの期間お勉強を頑張らないといけないですが、資格は自分の武器になるので迷っていたらどんどん受講していってほしいです。
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